モンキーのエンジンをOH(オーバーホール)するので、エンジンをバラバラにバラしました。
オーバーホールをするにあたって、クラッチ周りの分解を行いましたので、この記事ではモンキーのクラッチ交換方法(分解方法)について解説していきます。
使用する工具
※1つだけフライホイールプーラーが混ざっていますが気にしないで下さい。(黒い十字の工具。)
- ロックナットレンチ
- ユニバーサルホルダー
- ショックドライバー
- スナップリング外し
- ラチェットとソケット
ここで挙げた工具は全て必要不可欠です。
【モンキー】クラッチの外し方(分解方法)
作業手順は以下の通りです。
- クラッチカバーを外す
- アウターカバーを外す
- ロックナットを外す
- クラッチを外す
- プライマリードリブンギアを外す
クラッチカバーを外す
まず始めにクラッチカバーを外します。クラッチカバーを止めている8本のボルト(8ミリ)を全て外し、カバーを外します。ノックピンが入っているので少し硬いです。
ノックピンの位置は右下と左上。ケース側にない場合はクラッチカバー側にハマっていると思います。
ちなみにここのノックピンサイズは【8×12】が2つです。
少し揺さぶるようにすれば外せます。もし外れない個体は、プラハンで軽く叩いてやると簡単に外すことが可能です。
アウターカバーを外す
クラッチカバーが外せたら、次にクラッチ盤のアウターカバーを外します。
写真を確認すると、アウターカバーのベアリング部分にカラーが飛び出ているのが確認出来ると思います。カラーを抜くとバネも入っているので無くさないように…。これがないとクラッチを握ってもクラッチが切れません…。
プラスのネジ4本で固定されています。中古で購入したエンジンをバラしているのですが、プラスネジが舐めています…。(どこの下手くそが触ったエンジンなのか…。)
だいぶ悲惨です…。せめて舐めたらネジぐらい変えておけよ。
ここのネジは普通のドライバーで作業してはダメ…。
必ずショックドライバーを使ってネジを緩めるようにしましょう。ショックドライバーが買えないのであれば、自分で作業するのは断念した方が良いレベルです。
説明は不要かもしれませんが、ショックドライバーを使用する際には、ドライバーをネジに押し当てた状態で、ドライバーを叩く瞬間に、ドライバーを少し自力でも回してやります。
正しくショックドライバーが使えていれば、ここのネジが舐めたり外せなくなることはほぼありません。
ロックナットを外す
アウターカバーが外せたら、クラッチを固定してるロックナットにアクセス出来るので、そちらを外していきます。
画像では、すでにガスケットが剥がしてありますが、アウターカバー部分にはガスケットが入りますので組み込み時には忘れずに。
ロックナットには、ロックワッシャーの爪がどこか1箇所折り込んであるのでその爪をマイナスドライバー等で、起こしてからロックナットレンチを使用し、ロックナットを外します。
このワッシャーです。
ロックナットのサイズは、内径24ミリを使用します。多くのロックナットレンチは、2サイズ使えるように両側に爪があるタイプになっています。モンキーは大凡大きい方が適合します。
ちなみに僕が使っているのはこれ。最安値かと思います。
ロックナットが固定されているシャフトは、クランクシャフトなのでナットを緩めるにも、クランクシャフトが回転し、緩めることが出来ません。
そのため、ユニバーサルホルダーを使用し、クラッチを直接抑えつつ、ロックナットを緩める必要があります。緩めるだけなら、インパクトレンチでも作業可能です。
どのみちクラッチを組み直す際には、インパクトレンチでという訳にはいかないのでホルダーが必須ですが…。
外す際にはインパクトレンチを使えば、ホルダーで抑えなくても余裕です。
クラッチを外す
ロックナットが外せたら、そのままクラッチが上に引き抜けます。
クラッチを固定するナットとワッシャーは以下の順番に入っているで、分解する際に覚えておきましょう。
- ロックワッシャー(爪有り)
- ロックワッシャー
- ロックナット
2枚目のロックワッシャー【OUT SIDE】の刻印が外側を向くように取り付けるのが正解です。ここだけ組み上げる際に注意です。
クラッチを引く抜くと、次にギアも外せます。クラッチ同様に引き抜くだけ。
プライマリードリブンギアを外す
クランクシャフト側に固定されていた、クラッチとギアを外したら最後にメインシャフト側に固定されている、プライマリードリブンギアを外します。
こちらのギアは、スナップリングのみで固定されています。
固定というより、抜けないようにしてあるだけです。スナップリング外しを使用し、スナップリングを外したらそのまま引く抜けます。
握ると開く工具です。
組み直す際には、スナップリングがメインシャフトの溝にちゃんとハマっているかどうかだけ、確認しておきましょう。プライマリードリブンギアがちゃんと下まで入っていないと、溝が飛び出ずスナップリングがハマりません。
クラッチ組み込み時の注意点
クラッチをバラして、組み付ける際にいくつか注意点があります。
- ロックワッシャーの向き
- クラッチとギアの噛み合い
クラッチディスクを固定する際に取り付けるこちらのワッシャーには、向きがあるので注意して下さい。
【OUT SIDE】の刻印が上側(アウターカバー)を向くように付けるのが正解です。
ワッシャーの向きに加えて、ギアとクラッチディスクの噛み合いにも注意して下さい。
クラッチディスクの前に入るこちらのギアの【ギザギザ】とクラッチディスクの裏面に同じ形状のギザギザがあるので、それがしっかり噛み合うように組み付けます。
ここが噛み合っていない状態で組み込んでしまうと、クラッチが切れませんのでもう一度クラッチ周りを分解する羽目になります。組み込み完了後、クラッチディスクを側面から見て明らかに隙間が大きい場合は、噛み合っていない証拠です。
クラッチを交換したあとは、クラッチ調整が必要になると思います。
モンキーのクラッチ調整方法については、こちらの記事をご覧下さい。
まとめ
無事にモンキーのクラッチ周りが分解完了しました。
- ショックドライバー
- ロックナットレンチ
- ユニバーサルホルダー
- スナップリング外し
これらの工具さえ用意して作業に取り掛かれば特別難しい作業ではないので、問題なく作業をこなせると思います。
組み込む際には、逆の手順で作業していくだけですが、ロックワッシャーの向きとクラッチとギアの溝がハマっているかどうか?アウターカバーのカラーとスプリングは付いているか?この辺りだけ注意が必要です。
それでは。
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