キャンバーアクスルを使っているけど、車高を下げたらトー角がとんでもなくズレてしまいます。なぜトー角がズレてしまうのでしょうか?
先日、当サイトの読者様よりこんな質問を頂きました。
そこでこの記事では、キャンバーアクスルはなぜ車高を下げるとトー角がズレてしまうのか?というテーマでお話ししてきます。
【キャンバーアクスル】車高を下げるとトー角がズレる理由
キャンバーアクスル(加工アクスル)を使用した際、車高を下げるとトー角がズレてしまう理由は、アクスルが前方にズレてしまうことが原因です。角度の頂点がズレるということです。
擬似的にキャンバーアクスルの車高変化に伴う、トー変化を分かり易く画像に収めました。
▪️車高を下げる前
▪️車高を下げた後
2枚を比較すると、1枚目に比べて2枚目(車高を下げた状態)では、トー角がかなりトーイン側に向いてしまっているのが確認出来ると思います。
角度の頂点が前方にズレてしまうと、ホイールが内側を向いてしまうのです。
下の2枚の画像で、アクスルを傾けた際の頂点の動きが良く分かると思います。マスキングテープをみると、2枚目の画像では左側(車体前方側)を向いているのが分かります。
これが車を真横から見たときに、ホイールがどんどん車体前方にズレていく動きですね。
キャスター角がズレるとも言います。
最後に究極に分かり易い、少しどころかかなり強引な比較画像を載せておきます。
この傾斜部分がホイールのデスク面(ドラムカバーの面)だと仮定すると、1枚目の写真ではトー角がそれなりに前を向いているものの、2枚目のように頂点を前方に倒すと…
ほら。タイヤが内側を向いてしまっています。
文章だけでこれを説明するのは、かなり難しい…。上手く伝わっているか怪しいですが、頑張って理解して下さい。
アクスルを加工した段階でトー角が決まっている
つまり、加工アクスル(キャンバーアクスル)は、製作する段階でトー角を決めておかなくてはいけないのです。
アクスルの角度を想定しながら、その角度に対して頂点が真上に来るようにハブの固定位置を溶接する必要があるのです。
そのためこのような悩みは、中古品の加工アクスルを使うと避けては通れない問題になるのです。
中古品を購入するのであれば、その辺は割り切って使うしか無い。という結論です。
キャンバーが0度ならトー角は変わらない
どんなに車高を下げて、アクスルの角度が変わろうともキャンバー角が0度であれば、トー角の変化はありません。
軽自動車のアクスルは、大概キャンバー0度と言われていますが、実際には完璧な精度でぴったり0とは限らないので、一寸もトー角が変化しないというとそれは、嘘になるかも。
※溶接の歪みとかもありますからね。
それに加えて、普通車クラスのアクスルの場合は、微妙にキャンバー角が付けられている車も多いです。
そのため、キャンバーアクスルほど明らかなトー変化は現れないにしろ、多少なりともトー角がズレるのは頭の片隅に入れておくと良いと思います。
ちなみにキャンバープレートもキャンバーアクスル同様にトー角にズレが生じます。
まとめ
純正アクスルの場合は、ほとんどキャンバー角が付いていないので、車高を下げてもトー角の変化が目立ちませんが、キャンバーアクスルの場合は、トーの変化が大きく現れてきます。
理由は記事内でもお伝えした通り、角度の頂点が前方に倒れていくことが原因です。
そのため、アクスルを加工してもらう際は、そのことを理解しつつその情報を豊富に持っているメーカーさんで、自分が使用する車高を伝えた状態で製作してもらう必要があります。
※トー角を狂わせずにキャンバーアクスルを導入するのなら。
ワッシャー等を挟んでトー角を微妙に調整することも出来ない訳ではないですが、それにも限度があるのでそこは理解しておいた方が良いと思います。
それでは。
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