フロントのアッパーアーム(キャンバーアーム)を購入予定です。2種類の調整方法がありますが、どちらの方がお勧めですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、アッパーアームの2種類の調整方法どちらが良いのか?使いやすいのか?というテーマでお話ししてきます。
※主にダブルウィッシュボーン式のアッパーアームに関する内容です。
【調整式アッパーアーム】2種類の調整方法どちらが良いのか?
ダブルウィッシュボーン式の調整式アッパーアームには、主に2種類の調整方法があります。
- ボールジョイントの位置をズラす
- アーム調をターンバックルで調整する
人によって好き好みがあるのかもしれませんが、個人的には後者(アーム調を変更するタイプ)をお勧めします。(個人的には。)
理由は2つあります。
- シビアな調整が可能
- アッパーアームが干渉しにくくなる
ボールジョイントの位置をずらして調整する方法に関しては、さらに2種類に分けられて…
- ボルト位置が決まっている
- ボルトの固定箇所に縛りはない
ボルトの位置が決まってしまっているタイプなら、当然シビアに調整することは出来ません。また、ボルトの固定箇所が長穴になっているタイプでも、車体に取り付けられている状態だと、シビアな調整(少しだけ動かしたい)をしたい場面で動きすぎてしまうケースがよくあります。
アッパーアームが干渉しやすくなる理由についは後ほど詳しくお話しします。(全てのアームに該当するとは限りません。)
これらを踏まえた上で、全長を調整するタイプのアッパーアームの方が使い勝手に優れていると個人的には思います。
ただ、事実としてダブルウィッシュボーン式のアッパーアームはターンバックル調整式の商品の方が少ないです。僕自身が組み込んだ割合で見ても、1対3ぐらいの割合です…。
それに加えてターンバックル式の場合、アームや車種によってはレンチが入りづらく(スペース的に)調整しづらいことも無きにしも非ず。
ボールジョイントをズラすアームの欠点
ボールジョイントの位置をずらして調整するアッパーアームも多くありますが、これには致命的な欠点があります。
それは、アッパーアームが干渉(アームロック)しやすくなる点です。
全てのアームに該当する訳ではありませんが、ボールジョイントだけが手前に可動し、全長を変えようとした時、アッパーアームの先端は取り残されてしまいます。当たり前だけども。
そうすると、ターンバックル式のアームとボールジョイント側で調整するアームを実質同じ長さで使用した際に、アームの全長が変わらないがためにアッパーアアームがフレームに近くなってしまいます。
これに加えて、ボールジョイントをボルト固定するために台座が使用されることもあり、ボールジョイント付近の厚みが増すことも、アーム干渉の原因に繋がります。
短縮ナックルを組み込めば回避できる点ではありますが、必要最低限にナックルの短縮量を抑えたい人は頭の片隅に入れておくと良いと思います。
全長が変わるアームにも注意点がある
ボールジョイントの位置はそのままで、アーム調を調整するタイプのアッパーアームにも1つだけ注意点があります。
それは調整箇所が【ターンバックル式】になっているか否か。
多くのメーカーはターンバックルを採用している場合が多いですが、稀にターンバックルを使っていない場合があります。
ちなみに先日購入した、こちらのアッパーアームはターンバックル式ではないです…。とあるショップが作成していて金額もそれなりの設定ですが、ただの長ナット。(知っていて買ったんだけども。)
ターンバックル式じゃないと何がダメなの?
ターンバックル式を採用していないと、車体に取り付けたまま調整が出来ず、調整するたびにアッパーアームを外す羽目になります。
ダブルウィッシュボーン式のアッパーアームの場合、3点で固定されるためナックル側を切り離しても調整が出来ません。マルチリンク式に使われる2点固定なら、片側をフリーにするだけで調整できるのでまだマシ…。
僕はたまたま破格だったので購入しましたが、ターンバックルになっていないアッパーアームをダブルウィッシュボーン式に使用するのは絶対にお勧めしません…。
まとめ
あくまでも個人的な主観に過ぎませんが、ダブルウィッシュボーン式のアッパーアームであれば、調整方法はアームの全長がターンバックルで変えられるタイプのアームがお勧めです。(理想論だけ見れば…。)
人それぞれの好みの問題もあると思いますのでどっちが良いかはさておき、それぞれの良し悪しが伝われば幸いです。
ここでお話しした内容は、1つの考え程度に捉えて頂けたらと思います。
最後にこんなことを言うのもなんですが、ダブルウィッシュボーン式の場合、ボールジョイントの位置がずれるタイプのアッパーアームの方が多いのも事実です。
それでは。
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