ホイールナットを締める時に、トルクレンチを使っていないから少し強めに締め付けているよ。緩んだら怖いし!
こんな人も少なくありません。
そこでこの記事では、ホイールナットを締めすぎるとどうなるのか?というテーマでお話していきます。
これは、ホイールナットに限らず全ての【ボルト・ナット】に共通して言えることです。
ホイールナットを締めすぎるとどうなる?
ホイールナットを規定トルクより強く締め過ぎていた場合の末路は…
- ハブボルトが折れる
- ネジ山が無くなりホイールナットが飛んでいく
※最悪の場合の話です。
ボルトナットは、【引っ張りの力】を利用して、モノを固定します。(ボルトが戻ろうとする力も。)
ホイールナットを締め付ける事で、ハブボルトには引っ張られる力が掛かり、ボルトは伸びます。
当然、引っ張りに耐えきれなくなってしまったハブボルトは折れてしまう可能性があります。
その場で折れるというより、走行中に折れたり次にホイールナットを外す際にネジ山がダメになるイメージです。
P1.25だと先にネジ山がダメになるかも。
ボルトは締めすぎると緩む
ホイールナットに限らず、ボルトって強く締めれば緩みにくくなるイメージがあるから、強めに締めているよ。
しかしながら一概にそうとも言い切れません。(むしろ間違い)
ボルトは締め込むことで、ボルトが伸びます。
この時、引っ張られたボルトは元の長さに戻ろうとする、言わば【バネ】のような力を持っています。
この2つの力が上手く兼ね合いを保っている時、ボルトナットは緩みにくくなります。(このあたりの計算をして規定トルクが決められていると思います。)
しかし、ボルトは一定の量引っ張ると(締めすぎると)、元に戻ろうとする力を失います。あまり引っ張ってやり過ぎると、元に戻る気力が無くなるのです。
そうした時に、ホイールナットが緩んでしまうのです。(ボルトナットは緩みやすくなる。)
※締めすぎると100%緩むというわけでは無いですが。
ホイール側が変形する可能性もある
アルミホイールを履かせている方だと、アルミホイールとホイールナットの接点部分が変形してしまう可能性もあります。
ホイールナットの材質は、【スチールやクロモリ】などアルミよりも硬い材質である場合が大半です。
そうなれば、ホイールナットがアルミホイールのテーパー部分の形状を変えてしまうリスクも当然出てきます。
※テーパー部分が段になっちゃうイメージ。
そうすると、次にホイールナットを締めこむ際に、ホイールナットが上手く力を掛けられず、ホイールナットが緩む原因に繋がったりします。
規定トルクを守っていても、多少の傷は付きますが。
まとめ
ホイールナットを締めすぎると…
- ハブボルトが折れる
- ネジ山がダメなってホイールナットが飛んでいく
- 逆にホイールナットが緩む
- ホイールのテーパーが変形する可能性がある
これらのリスクがあるので、慣れるまではトルクレンチの使用をおすすめします。
一度もトルクレンチを使用したことがない人は、お早めの購入をお勧めします。
ホイールナットを締め込んだ際に、ボルトを切ってしまうほどのトルクを掛ける人はいないと思うので、その場で折れることはかなり稀だかと…
※むしろそっちの方がまだ良いかもしれ無いけど。
折れたりホイールナットが飛んでいくのは、走行中に起こりうる可能性の方が高いので注意です。
また、締めすぎるとホイールナットが緩むリスクもありますので、そこは頭に入れておくことをおすすめします。
それでは。
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